阿部高和が雛見沢村に引っ越して来たようです・阿部殺し編2

スレ2


22 名前: 相場師(新潟・東北) 投稿日: 2007/03/22(木) 20:58:05.89 ID:TPa6yubAO
「彼女は入院させます…。…後日、入院の用意をして、また病院に来て下さい…。」


入江先生が机に視線を戻すと、カルテを書き始めた。
阿部には、ただ床を睨む事しか出来なかった。


「ここで…この病院で産ませます…。しかし…この事実を…彼女が本当に受け入れるかどうか…。」


「そのうちお腹が膨らんでくるでしょう…それまでに彼女に本当の事を話してあげて下さい……そして…彼女が馬鹿な真似をしないように……阿部さん、あなたが守ってあげて下さい。」


阿部は静かに頷いた。
内心叫びたい気持ちで一杯だった。

だが阿部は奥歯を噛み締めて、ただただ堪えた。


33 名前: 相場師(新潟・東北) 投稿日: 2007/03/22(木) 21:18:03.48 ID:TPa6yubAO
阿部と沙都子とレナの三人は、既に日が落ちかけた、ひぐらしがなく林道を、ただ押し黙って歩いていた。
阿部におんぶされた沙都子は眠っているのだろうか…スヤスヤと寝息をたてていた。

「阿部さん……沙都子…どうだったの…?」
レナが、下を向いたまま、呟くようにたずねた。

「ああ…最悪さ…。孕んでたさ…。」

阿部がぶっきらぼうに返す…。

「そんなの……そんなの無いよね…あまりにも…可哀想すぎるよね……ウッ…グスッ…。」

レナが案の定泣き始めた。
顔を抑えて、しゃくりあげながら続けた。

「こんな酷い事なんか…ないよ……沙都子ちゃん、まだ小学生なんだよ!?あんまりだよ!!」

レナが怒鳴り声を上げた。
沙都子がビクンと小さく体を痙攣させた。
起こしてしまったようだ…。

「…レナさん…どうして泣いてますの…?」

沙都子がゆっくりと顔を上げた。
顔色が悪い。

「……なんでも…なんでもないんだよ…沙都子ちゃん…。」

レナは無理矢理、沙都子に微笑みかけた。
偽りの笑顔…偽りの言葉…そんな物はもうたくさんだった。

39 名前: 相場師(新潟・東北) 投稿日: 2007/03/22(木) 21:32:55.87 ID:TPa6yubAO
家に帰ると阿部はレナと沙都子の為に、作り置きした特製カレーを暖めてやった。


しかし二人とも食欲がないらしく、あまり食べなかった。


無理もない…あんな診断結果が出たのだ…。

不本意にも……いずれ沙都子は鉄平との子供の母になる……小学生でだ……!

こんな馬鹿げた話があってたまるか!!


阿部の怒りが爆発しそうになる!


沙都子は悪くない…勿論悟史も…レナも……悪いのは鉄平ただ一人…。


阿部は無造作にテーブルに転がっているドライバーを手に取った。
俺が…俺が…沙都子を守るしかないのだろうか…。

47 名前: 相場師(新潟・東北) 投稿日: 2007/03/22(木) 21:42:38.79 ID:TPa6yubAO
阿部は具合が悪そうに口を押さえる沙都子に、風呂に入って休むように勧めた。


沙都子はコクリと頷くと席を立って、風呂場に向かった。


沙都子が席を立つやいなや、レナが再びポロポロと体を震わせて泣き始めた。


不憫でならない…本当に…。


「レナ…泣いたって解決にはならないよ……さあ…泣くのはもう止めて……な?」


阿部はレナの目に溜った涙を指ですくってやると、手を握ってやった。

俺たちが…俺たちが…沙都子を助けてやらなければ誰が助けるっていうんだ…?

54 名前: 相場師(新潟・東北) 投稿日: 2007/03/22(木) 21:48:04.39 ID:TPa6yubAO
と、突然玄関のチャイムが鳴った…。

外はすっかり暗くなっている…こんな時間に一体…誰だろう…。
阿部はダイニングの椅子から腰を上げると玄関のドアを開けた。


「阿部さん……今晩は…。」


悟史だった。


多分沙都子の様子が心配で、様子を見に来たのだろう。

悟史には話さねばなるまい……沙都子の全てを…。


「悟史…大事な話がある……中に入れ…。」


阿部がニコリともせずに言った。
悟史は怪訝な表情を浮かべながら、阿部に従った。

71 名前: 相場師(新潟・東北) 投稿日: 2007/03/22(木) 22:07:46.34 ID:TPa6yubAO
阿部は、悟史をダイニングに座らせた。

そして麦茶とカレーライスを出してやる。

レナは相変わらず鳴咽を堪えて泣き続けている。
何か大変な事態が起こったのが分かったのだろうか、悟史は不安げな表情でレナを見つめていた。

「いいか…落ち着いて聞くんだぞ…いいな。」

阿部が出来るだけ当たり障りのない、落ち着いた声になるように努めた。

「沙都子がな…具合悪そうにしてたから…今日…病院に連れてってやったんだ……そしたらな…アイツ…妊娠してやがったんだよ…」

「………え…?」

冗談か何かだろうと思ったのだろうか…悟史は驚きとも微笑みともつかない表情で阿部の目をじっと見つめた。

「妊娠だなんて…一体……何を言ってるんですか……?だって…だって沙都子はまだ小学生…。」

「……俺も嘘だと信じたい……だが本当だ…。沙都子は…鉄平の子供を孕んでいる…。」

悟史の顔が秒単位で青ざめ、そして、目の端に涙の粒が盛り上がり始めた。

「入江先生の話によれば堕胎は既に不可能だそうだ…。産むしかないんだ…鉄平の子供を…。」

悟史は文字通り絶句し、唇を噛み締めて、泣くのを堪えた…。
だが努力も虚しく…目の端から涙の粒が漏れて、線を描きながら頬を流れ、そしてテーブルに落ちた。

88 名前: 相場師(新潟・東北) 投稿日: 2007/03/22(木) 22:30:15.05 ID:TPa6yubAO
「沙都子には……その事を言ったんですか?」


悟史が噛み締めた唇を何とか開くと、途切れ途切れにたずねた。

阿部はこめかみの辺りを揉みながら、溜め息をついた。

「まだだ…。……そんな事…簡単に言えるはずないだろ…。」

「…いつ言うんですか……。」

「近いうちに…言うさ…。」

阿部がやりきれない、と言った表情で悟史から視線を外した。

「アイツ…そんな事知ったら……それこそ自殺してしまいますよ!!」

悟史が握り締めた拳をテーブルに叩きつけた。
目の端から涙が止めどなく流れていく。

悟史の中で何かが壊れていく音が、阿部には今にも聞こえそうだった…。
コイツはいずれ…間違いを犯す…必ず…。

それは悟史と沙都子にとっては避けなければいけない事態だ。

「悟史…お願いだから…馬鹿な真似はするなよ……自分の為にお前が間違いを犯したと知ったら…沙都子はそれこそ……自殺してしまう…。」

94 名前: 相場師(新潟・東北) 投稿日: 2007/03/22(木) 22:38:58.90 ID:TPa6yubAO
阿部は時計を見た。


時刻はもう9時になろうとしていた。


阿部は二人にひとまず帰って落ち着くように勧めた。


悟史はそれっきり押し黙ったままだった…。
そして最後の最後まで、悟史は一言も喋らなかった…。


99 名前: 相場師(新潟・東北) 投稿日: 2007/03/22(木) 22:46:27.48 ID:TPa6yubAO
数時間後……北条家


悟史は怒り狂った。

あの男は…自分達から全てを奪ったのでは飽きたらずに、最悪な置き土産まで残して行きやがった。


よりによって沙都子の体内に…。

もし子供が生まれても、鉄平は見向きもしないだろう…。


悟史には分かっていた。


どっちにしろ、沙都子はもう…救われない…。

それなら…それなら…あの糞野郎を…絶対に……ぶっ殺してやる……頭を叩き割ってやる!!!


悟史は納屋から持って来たナタを握り締めた。

多分鉄平は居間で酔っ払って眠っている事だろう…。

116 名前: 相場師(新潟・東北) 投稿日: 2007/03/22(木) 22:58:24.30 ID:TPa6yubAO
悟史は足音をたてないようにゆっくりと居間のほうに歩いていく。

居間の方から騒々しいテレビの音が漏れていた
。…居間の電気がついている…。

鉄平はまだ起きているのだろうか…。

悟史は舌打ちをしながら、居間をそっと覗いた。

鉄平が大の字になっていびきをかいて眠っていた。

酔っ払って、テレビと電気をつけっぱなしで寝てしまったのだろうか…。

悟史はゆっくりと居間の襖を開けた。

鉄平は起きない…。

チャンスだ。

悟史はナタを携えて、大の字になって眠る鉄平へと近付いていった。

緊張の為か…悟史の心臓が早鐘を打ち、汗が噴きでて来る。

だが…だが…この男だけは殺さねば…!
コイツは生きていてはいけない人間なんだ!

130 名前: 相場師(新潟・東北)投稿日: 2007/03/22(木) 23:09:44.90 ID:TPa6yubAO
悟史は足音を殺して鉄平のすぐ近くまで近付いてみた。


馬鹿面をしたまま、目を瞑って眠っている。
起きる気配はなかった…。


今がチャンスだ…。

やるなら…今しかない…!!


悟史の脳裏に沙都子の悲しげな表情が浮かぶ…。
にーにー…私の為に人殺しまでして…そんな…私のせいで…にーにーが…。


心配ない…心配ないさ……今全てを終わらせる…全ての元凶を…。


悟史は鉄平の頭上で、ナタを目一杯振り上げた。

146 名前: 相場師(新潟・東北) 投稿日: 2007/03/22(木) 23:22:11.96 ID:TPa6yubAO
悟史の心臓が高鳴り、手の筋肉が緊張する。


辺りから聞こえる音と言えばテレビの音と、外から聞こえる虫の音だけだ…。


悟史はナタを振り下ろさんと、腕に力を込めた。


「悟史……それで一体なにするつもりなんや…」


不意に声がして悟史は凍りついた。

テレビの音だろうか……いや…違う…これは…鉄平の声だ!


悟史は慌てて鉄平の方を向いた。鉄平は目を瞑ったまま続けた。


「それで一体どうするつもりなんや…?」


悟史の青ざめようといったら無かった。
鉄平がゆっくりと目を開けて、悟史に睨みをきかす。


「そんな真似して…お前どうなるか分かっとるのやろうな…。」

170 名前: 相場師(新潟・東北) 投稿日: 2007/03/22(木) 23:37:10.76 ID:TPa6yubAO
こんな…こんなはずじゃない……こんなはずじゃない!!!


悟史はそのまま鉄平の頭にナタを振り下ろした。

風を切る音が響き、ナタは不本意にも鉄平に受け止められた。


鉄平の拳による強烈な一撃が、悟史のがら空きの腹部に直撃する。
悟史の体が壁まで吹き飛ばされ、背中をしたたか打ちつけた。

「ウグァ……グホッ…ゲホッ!…ゲホッ…!」


空になった胃からは胃液だけが吐き出された。


ナタはどこかにいってしまった…。もうどうでもいい事だが…。


悟史は顔を上げた。
途端に鉄平の爪先での前蹴りが顔面を直撃した。


悟史の顔に暖かい物が伝う。

それはまごうことなき、鮮血であった。

189 名前: 相場師(新潟・東北) 投稿日: 2007/03/22(木) 23:51:10.39 ID:TPa6yubAO
「お前のせいで…お前のせいで…沙都子が…沙都子が…」


悟史が怒りに顔を歪ませて鉄平を睨む。


鉄平は悟史の襟を掴むと、そのまま悟史の体が持ち上がってしまうぐらいに掴み上げた。

苦しそうに悟史があえぐ。


「あの肉便器がどないしたん?…」

へらへらしながら鉄平がたずねた。

「妊娠してしまったんだぞ!もう堕ろせない所までいっちまったんだ!…このロクデナシが!」

再び鉄平が拳を振るった。
鉄平の拳が、悟史の頬をしたたかに打ち付ける。

悟史の口から塩辛い血潮がにじみ出て来た。

「妊娠したからなんやねん…肉便器が一人減っただけやんか……代わりなら今まさに目のまえにおるがな…。」

鉄平は悟史を地面に叩き付けて、足蹴にしながら着ていたシャツを脱ぎはじめた…。


207 名前: 電力会社勤務(新潟・東北) 投稿日: 2007/03/23(金) 00:03:25.14 ID:dV+s9lIXO
鉄平は派手な柄の悪趣味なシャツを脱ぎ終えた。
引き締まったたくましい上半身が現れる。


とてもじゃないが、華奢な悟史では歯が立たないだろう…。


一体…一体…鉄平は何を言ってるのだろうか…。


悟史にはあまりにも唐突すぎて理解できなかった。


代わりは目の前にいるだって……そんな奴が一体どこに…


しかし、馬乗りになって、着ていたワイシャツのボタンを飛ばされて、下着を捲られた時に始めて理解した……代わりとは…悟史自身だということを……

229 名前: 電力会社勤務(新潟・東北) 投稿日: 2007/03/23(金) 00:17:57.99 ID:dV+s9lIXO
「なかなか綺麗な肌してるやんけ…。そこらの女よりも綺麗やで…。」


鉄平の手が、いやらしく悟史の乳首の辺りを擦り上げた。


「うわ……うわあ!…嫌だ!…嫌だ嫌だ嫌だ!」


悟史は必死になって抵抗した。
両手を駆使して何とか鉄平を引きはがそうとした。


鉄平が悟史の手を押さえつけると、乳首を吸い始めた。

鉄平の舌が巧みな動きを見せて、悟史の乳首を転がし、虐め倒す。


くすぐったいような、歯がゆいような、耐えがたい感覚が悟史を襲う。

鉄平の空いた手が悟史のパンツの下に滑り込んだ。


「あっ……。」


悟史の口から低いあえぎ声が漏れた。

243 名前: 電力会社勤務(新潟・東北) 投稿日: 2007/03/23(金) 00:31:03.50 ID:dV+s9lIXO
鉄平が巧みな指使いで、悟史の逸物を扱き上げる。
悟史の物がビクビクと反応する。


「きさん…次に変な真似しよったら殺しゃげたる…。」


鉄平が悟史の乳首をカリカリと甘噛みする。


「ンンンッ…ンハッ…。」


悟史は鳴咽にも似たあえぎ声を口から漏らした。

目をギュッと瞑り、唇を噛み締めて、襲いくる快感から何とか理性を保とうとした。


鉄平は開いてる手で自らのズボンのチャックを下ろした。途端にギンギンに勃起したペニスがパンツ越しに飛び出す。


それをしきりに悟史の腹に押し付け、擦り上げる。

263 名前: 電力会社勤務(新潟・東北) 投稿日: 2007/03/23(金) 00:52:39.57 ID:dV+s9lIXO
快感と狂乱の嵐が…悟史を包んだ。
鉄平の凄まじいテクニックに悟史は既に限界を迎えていた。

「も……止めて……イク…いっちゃう…」


しかし鉄平は扱き上げる手を止めなかった…それどころかペースを早めた。


「…チンポが熱くなっとるで…もうイキそうなんか…いったらええやんけ。」


鉄平は、あえぐ悟史の唇に、自らの唇を重ねると、舌を入れて来た。歯を無理矢理こじあけて、舌が口内に侵入し、歯の裏の歯茎を舐める…。

ここは口の中でも、クリトリス並に至極敏感な所だ。


521 名前: 電力会社勤務(新潟・東北) 投稿日: 2007/03/23(金) 20:05:17.30 ID:dV+s9lIXO
悟史の口の中を、唾液がネットリと滴る鉄平の舌が、クチャクチャとかき回し、舐め回す。


鉄平が手のペースを早めた。

 

悟史はかすれ気味のかん高いうめき声を発して、果てた。


悟史の華奢な腹の上に彼自身の精液が飛び散り、青々しい臭いを発する。


息を乱してあえぐ悟史を眺めた鉄平の口元に冷笑が浮かぶ。


「次はワシがいかせてもらうで…。」


そう言うと鉄平はパンツの窓からギンギンに勃起した逸物を出した。

そして悟史の体を起こしてよつんばいにさせる。

530 名前: 電力会社勤務(新潟・東北) 投稿日: 2007/03/23(金) 20:20:56.95 ID:dV+s9lIXO
「もう…駄目です…許して下さい…」


弱々しい声で悟史が呟く。

しかし無情にも、鉄平の性拷問は続いた。

鉄平が剥き出しになった悟史の玉袋に舌を這わせる。
途端に悟史の玉袋がキュッと収縮する。


鉄平は構わずに舐め回し、玉を吸いあげて、口の中で転がす。


凄まじい快感と焦燥感が腰と脊髄を駆け巡る。

悟史の包茎気味の逸物が再び勃起した。


鉄平の舌が玉袋から蟻の戸渡りに移動し、そこにも丹念に舌を這わせつつ、アナルを目指して盛んにうごめく。


そして悟史のアナルに到着すると、ほじくるようにして舌を突き入れて来る。


悟史は奥歯を噛み締め、畳に爪をたてて、ひたすら耐えるしかなかった。

537 名前: 電力会社勤務(新潟・東北) 投稿日: 2007/03/23(金) 20:40:33.53 ID:dV+s9lIXO
「ふぅ…ふ…ああ…ふあ…」

悟史の口から悲鳴ともあえぎともつかない声が漏れた。

鉄平の舌は依然として悟史のアナルをドリルのようにこじ開け、舐め回し、吸い上げた。

「もう…ええやろ…入れるで…」

鉄平が悟史のアナルから口を離すと、自身の逸物をアナルに当てがう。

悟史のアナルは鉄平の唾液によって逸物を迎え入れんばかりにヌラヌラとぬめっていた。

鉄平が腰を前に突き出す。

逸物はたやすく悟史の体内に侵入し、ゴリゴリと直腸を刺激する。

「アッー!あぁ!…阿部さん…レナ…助けて……あはっ…沙都子…沙都子…んっ!」

これで性欲処理には困らない。
それにコイツなら妊娠の心配もない……それになかなかの締まりだ…悪くない…。
コイツは毎日楽しめそうだ…。

鉄平は再び口元に冷笑を浮かべた。

545 名前: 電力会社勤務(新潟・東北) 投稿日: 2007/03/23(金) 20:49:53.41 ID:dV+s9lIXO
鉄平の腰が物凄い勢いでよつんばいの悟史のアナルを犯す。


あまりの激しさに悟史は声すら出なくなっていた。


こんな…こんなのやだ…!


悟史は堪らずに顔を上げた。

ふ、と窓の外に人影が見えた。
薄暗くて誰だかよく見えないが確かにそこに誰かがいた。

しかもその人影と目が合ってしまった。


悟史はドキッとした。
ああ……見られてしまった…よりによってこんな姿を…。


目が合ってしまった人影も一瞬体をこわばらせた。


そして踵を返すと、どこかへ走っていってしまった。


一体…一体誰なのだろうか…。

悟史は不安でたまらなかった…。

551 名前: 電力会社勤務(新潟・東北) 投稿日: 2007/03/23(金) 21:03:21.09 ID:dV+s9lIXO
園崎家……魅音の部屋

魅音はとりあえず走って乱れてしまった呼吸を整えるために椅子に座った。

急いで走って来たために体中が汗でベタベタになり、髪の毛がクシャクシャに乱れてしまった。

魅音は、落ち着いて深呼吸をした。深く…ゆっくりと…

その途端に思い出される…あの…あの、おぞましい…それでいて淫靡な光景…。

魅音の目から涙が溢れた。

魅音が…心の底から…誰よりも愛していた悟史が…あんな目に…。こんなの…こんなの…おじさん耐えられないよ…!!

魅音は鼻をすすると、流れ落ちた涙を手の平で拭った。

 

しかし、その実…その光景を見た魅音の胸に悲しみや同情意外にも、宿る何かがあった。

何なのだろうか…この胸の高鳴りは…そしてジンジンと子宮が熱くなる…。
不思議な気持ちだ…。

567 名前: 電力会社勤務(新潟・東北) [おじさん!久しぶり!] 投稿日: 2007/03/23(金) 21:31:03.02 ID:dV+s9lIXO
魅音は涙と汗で濡れた顔を下腹部へと向けた。

あの光景を思い出す度に、陰鬱な気持ちとともに、何かが高ぶっていく。

こんな気持ちになったのは始めてだった。

頭がクラクラし、子宮を中心に体中が熱くなる…。

悟史が、快感と恥辱の波に耐える苦悶の表情…そしていやらしいあえぎ声…クリの花そっくりの精液の匂い…。

魅音はモジモジと太ももを擦り合わせた。
子宮から襲い来る焦燥感が次第に魅音の理性を削いでいく。

魅音は股間を指でいじくりたくて堪らなかった。

しかしそんな事をしたら…自らに宿る女としての自分を認めてしまう事と同義だった。
それは男として生まれて来たかった魅音にとって、自己の否定を意味していた。

その狭間の葛藤に、魅音は苦しみ、悩んだ。

魅音は履いているパンツがジュンジュンと湿るのを感じた。

女としては完璧に機能する魅音の体が、意に反して愛液を分泌したのだ。

「ンーッ…ンンッ!…アンッ!」

魅音は目を瞑り、太ももを擦り合わせてひたすら耐えた。


584 名前: 電力会社勤務(新潟・東北) 投稿日: 2007/03/23(金) 22:01:04.64 ID:dV+s9lIXO
魅音は葛藤し、葛藤し、葛藤した。

子宮が今にも爆ぜそうな位に熱くなり、焦燥感も次第に耐えがたい物になる。

今まで魅音は自慰という物をした事がなかった。
性欲よりも先に自らの意思が優先されるのだ。男でありたいとする強固な意思が…。

しかし、今改めて、その強固な意思が崩れ去ろうとしていた。

もう太ももを擦り合わせるだけでは満足出来なくなっていた。

もう…駄目…我慢出来ない…。

魅音はそろそろとゆっくり下腹部に指を伸ばすと、ズボン越しにクリトリスのある辺りを擦り始めた。

途端に電撃のような快感が全身を走った。

魅音は目をギュッと瞑り、椅子の上で体をくねらせた。

たちまちに彼女のクリトリスはコリコリに勃起する。

魅音の、男でありたいと願う強固な意思が、たった一回の自慰行為によって、簡単に崩れ去ろうとしていた。

魅音はズボンのジッパーを下ろすと、自らのパンツの下に手を滑り込ませた。
コリコリとした突起が指に触れる。

その時魅音は始めて…女である自分に気付いた。

夜はまだ長い…。
魅音は部屋の電気を消した…。

588 名前: 電力会社勤務(新潟・東北) 投稿日: 2007/03/23(金) 22:15:20.36 ID:dV+s9lIXO
翌日……阿部自動車修理工場

まだ朝日が登って間もない頃、阿部はトボトボと畦道を歩いていた。

しばらくすればセミが鳴きはじめるだろう。

阿部は沙都子に、未だ事実を告げられずにいた。

朝、阿部が目を覚ますと、沙都子が自分の布団から抜け出して、阿部の隣で眠っていた。

親指をくわえて、スヤスヤと眠る沙都子の安らかな表情を、阿部は複雑な気持ちで見つめていた。

今、この瞬間の幸せを壊したくはなかった。

告げられない…!!どうしても…!
沙都子には…いつまでも笑顔でいて欲しかった…。

阿部は溜め息をつきながら修理工場のシャッターを開けようと、屈みこむ。

「阿部さん…おはようなのです…。」

不意に後ろから声がした。

阿部がゆっくり振り返ると、そこには赤いランドセルを背負った梨花が立っていた。
あまり顔色が良くない。

「少し…お話があるのです…。」

冷たい目で阿部を見据えながら言った。
阿部は一言も喋らず、ただコクリと頷いた。

590 名前: 電力会社勤務(新潟・東北) 投稿日: 2007/03/23(金) 22:25:21.81 ID:dV+s9lIXO
ガレージのシャッターを開けて、梨花を中へと招き入れる。


阿部は梨花に椅子を勧めた。

しかし梨花は首を横に振って、いらない、と言った。


「それで…話って…一体なんだい…?」


梨花は依然として冷たい目で阿部を見据えていた。

そしてゆっくりと言った。


「今日は…悟史の事で来たです。」


阿部はドキッとした。


一体この小娘は何を話に来たんだ…。

592 名前: 電力会社勤務(新潟・東北) 投稿日: 2007/03/23(金) 22:30:20.57 ID:dV+s9lIXO
梨花は冷たい目をしたまま続けた。


「率直に言うと、高和には、悟史を諦めて欲しいのです。」


阿部は、腹から喉にかけて冷たい何かが通り過ぎるのを感じた…。

一体何を言ってるんだ…!


「悟史はもう限界なのです…。高和に必要とされ、魅ぃに必要とされ、孕んでしまった、お荷物でしかない沙都子に必要とされ…しまいには……鉄平に滅茶苦茶にされて……悟史は限界なのです…ボクにはそれが分かるのです。」

594 名前: 電力会社勤務(新潟・東北) 投稿日: 2007/03/23(金) 22:39:34.82 ID:dV+s9lIXO
阿部は瞬間的に、怒りを通り越して、この小娘の喉を、もう少しで締め上げる所だった。


何が言いたいんだ!この野郎!


阿部は平静を装い、出来るだけ落ち着いた声で言った。


「一体…お前は何がいいたいんだ……!俺を茶化しに来たのか…。」


「違うです…。少しは空気を読めと…高和と魅ぃには言いたいのです。…悟史を思えばこそ…高和は諦めるべきなのです…。」


目の前の小柄な小娘に、阿部は殺意を抱いた。


色々な事があって、ただでさえイラついているのに、こんなのはもうたくさんだ。


「黙れ…この小娘…。失せろ…掘るぞ…。」


阿部は凄みのある声で、静かに、梨花に言った。


だが梨花はただ黙って、冷たい目で阿部を見据えるだけだった。

601 名前: 電力会社勤務(新潟・東北) 投稿日: 2007/03/23(金) 22:54:15.85 ID:dV+s9lIXO
「高和……諦めるのです…。高和には悟史どころか沙都子も救えないです。」


阿部は、その小柄な小娘の手を掴むと乱暴に引き寄せ、顔の前で呟いた。


「黙るんだ…。この小娘…。俺は悟史を愛しているんだ……お前に何が分かるんだ。」


「悟史の気持ちが分かるです…。悟史はお前らのせいで追い詰められてるです…。高和は諦めて…この町から出てけです。」


もう限界だった。


阿部は椅子から立ち上がると、梨花の腕を引っ張って、テーブルへ向かった。


そしてテーブルに置いてあったドライバーを手に取ると、梨花につきつけた。

梨花の顔が始めて青ざめた。

613 名前: 電力会社勤務(新潟・東北) 投稿日: 2007/03/23(金) 23:12:26.04 ID:dV+s9lIXO
阿部は梨花の胸にグリグリとドライバーの先を押し付けながら、戒めるように言った。


「お前も悟史の事が好きなんだろ…だから魅音と同じように俺に嫌がらせをしている…だろ?…そうなんだろ?」


梨花は泣きそうな顔で首を大きく横に振った。


「違う!…違うのです!…このまま高和が雛見沢に残って、悟史を求め続けると大変な事になるのです!オヤシロ様が怒るのです!…ボクはオヤシロ様を怒らせたくはないのです…。」


…オヤシロ様…?

一体何をいってるんだコイツは…。


「でたらめ言って誤魔化しても駄目だぞ…。それとも…お前は魅音の手先なのかな…?
仲間ぐるみで俺をはめようって寸法か?」


「あっ……!」


ドライバーを強く押し付け過ぎて、胸の皮膚に僅かに食い込んでしまった。


少量の血と共に梨花の口から短い悲鳴が漏れた。

 


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